1 オープンシステムが生まれた背景
〜 住宅建設の現状と問題点 〜
お客様が家造りを決断された時、一番に出向かれるのはハウスメーカーのモデルハウス展示場ではないでしょうか。
そこにはテレビCMや新聞広告で日ごろ目にする、ハウスメ−カー自信の住宅が立ち並んでいます。
「あの家もカッコいいなあ」、「この家のリビングは私のイメージにピッタリだなあ」、「この仕様で坪45万円は安い」、「高気密・高断熱」、「健康住宅」、「免震構造」等々。
でも、モデルハウス展示場へ行かれるのは、もう少し色々な事を知ってからの方がよさそうです。
私はハウスメーカーの住宅を否定する訳ではありませんが、次のことを知ってモデルハウス展示場へ行かれたなら、モデルハウスの見え方も少し変わってくるかもしれません。
| ハウスメーカーの住宅とは? モデルハウスや新聞広告で購入を決意される場合とくに注意が必要なことは、そこにはもう住宅が出来上がっているという事実です。 モデルハウスは、住宅の完成形を確認できるメリットがたしかにあります。しかし、そこに建っているのはメーカーのイメージを代表する建物であり、坪○○万円とうたうメーカー標準仕様の建物との間には、かなりの差が存在することに留意しなければなりません。 メーカーイメージの建物には、本来オプションであるはずの小物・家具・カーテンなど備品類が効果的に使われ、あたかも坪○○万円でイメージ通りの建物が手に入るような錯覚をおこしてしまいやすいのです。 フリープランをうたうメーカーの自由設計とは、メーカーの仕様、規定に基づいた上で、実現可能な要望に対して自由であるという意味です。もちろん仕様・規定に合わない要望は坪単価もアップするでしょう。 建材類も、メーカーが決まっている場合が多く、自由に選択出来るとのうたい文句も、指定された建材メーカーの指定されたグレード品の中から選択出来るのであって、すべて自由に選べるわけではないことにも注意しなければなりません。 つまり、選択肢が多いようでいて案外自由のきかない、イメージ先行の住宅と言えるのではないでしょうか。 |
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| 住宅を計画・設計するとは? お客様はメーカーのCM・モデルハウスで気に入った建物を目にし、こんな風だといいなぁと、家づくりにイメージから入いられる場合が案外多いと思います。最初の段階で建物のイメージが先行すると、住宅を計画する際に最も重要な家族の生活スタイルや将来の変化などに目が行き届かなくなります。 モデルハウスの間取りはお客様が10人いれば8人までが気に入るよう配慮されています。今までの売れ筋からノウハウを蓄積していますから、それはそれで納得のいく間取りなのかもしれません。しかし、それがお客様に合うとは言い切れないのです。 お客様は図面を見て、たとえば子供の部屋はここにしようとか、寝室はこの部屋にするかな、など。ご自身の家族を思い浮かべ、意識するしないに関わらず図面に希望の部屋を当てはめて考えるようになってしまいます。意にそぐわない部分もイメージが先行していると計画段階では余り気にならず、完成してから後悔することにもつながっていきます。 流行のスタイルは時とともに変化します。ご自身の考えや家族の考えも変わります。 住宅は一生ものの買い物です。住宅建設に後悔を残さないためにも、流行のスタイルや今の考えに流されず、計画段階では外見ばかりでなく、内部空間をしっかり見極める必要があるのではないでしょうか。 |
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| 誰が設計するのか? お客様の要望を聞き取り・設計の打合せをする担当者と呼ばれる人は、ハウスメーカーと地域で提携している工務店や建設会社の営業マンである場合が多いと言う点が、一番の問題です。 担当者は確かに建築について詳しく、建築士の免許を持っている方も多いのですが、あくまで自社の製品について詳しいだけの場合が多く、自社製品の良い所をアピールしますが、欠点になる部分については触れません。またお客様から弱点を指摘された場合はマニュアルで回答を用意しています。担当者はお客様の要望を自社?の設計担当者に伝え、設計が行なわれます。つまり、お客様の要望が直接設計者に伝わっていないことにも留意すべきです。 また、建物を建てるためにはメーカーの仕様・規定に則った本建物用の設計図を作成する必要が生じます。 設計は無料・サービスとうたわれますが、人が動く以上、設計するための費用は必ず発生しており、工事契約額の諸経費類の中に設計料が含まれることが多いようです。ただ設計費用と表示していませんから判らないだけです。さらに、同じようにメーカーで無料設計してもらったが実際に建設まで至らず中止になった方の設計料も、お客様総数のあんぶんで諸経費に乗っていると考えた方がいいくらいなのです。 |
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| ハウスメーカーの建設工事とは? 実際の工事はハウスメーカーではなく、メーカーとフランチャイズ契約等をした地域の提携工務店や建設会社が担当します。 ここでお客様はともすると勘違いされますが、工務店や建設会社も直接工事を行なう訳ではないのです。 住宅を1棟完成させるには、約20種類の工種の違う専門工事会社(たとえば基礎屋さん、大工さんなど)が必要です。工務店や建設会社は専門工事会社を下請けとして使い工事を任せます。 じゃあ、工務店や建設会社は何をするのか? 工務店や建設会社は、下請け専門工事業者の工事手順や時期・工事部分の品質・専門工事会社からの請求を予算に合わせて支払う等の段取りを行なうのが主な業務です。 現場には現場監督と呼ばれる社員が1人つきます。このご時世ですから住宅1棟だけの専属であることはなく、通常数件の現場を掛け持ちしています。業務自体も数軒だと煩雑になることから、各工種ごとの専門工事会社に現場を任せ切りにする人も多いようです。 メーカーの設計図に基づいた工事ですが、図面通りに工事が出来ているかを確認をするのも自社社員ですから、第三者の目にとまる事無く工事が完成していく部分もあり、現場監督の資質に建物の品質も左右されることになります。 |
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| 下請けに入る専門工事業者とは? ここで工務店や建設会社の下に入る下請け専門工事業者はどのようにして選ばれるのでしょうか。 通常、工務店や建設会社は「○○会」と称する下請け専門工事会社のネットワーク会を持っている場合が多いです。各工種ごとに数社加盟している場合が多く、仕事が入った場合、この「○○会」に入った下請け専門工事業者に見積依頼をし、一番安い業者に仕事を降ろすことが行われています。 工務店や建設会社からすると、メーカー標準工事をする時に新しい専門工事会社へ依頼するよりも工事の説明が不要となるばかりでなく、数件の工事物件がある場合、まとめて工事契約をする(安くしてもらう)ことや無理を聞いてもらいやすいなどのメリットがあります。 専門工事会社にしても工務店や建設会社の傘下に入ることで、労せずして仕事が受注出来るため、お互いが必要な存在なのです。 しかし、施工会社からすると、あくまで下請け会社であり、予算や工期が厳しい場合でも無理を通すことの出来る会社であるとの認識があるようです。 専門工事会社は、本来その工種では単独でも立派に専門の仕事をこなせる腕・ノウハウを持ちながら、仕事をもらっているとの負い目から、お客様ではなく工務店や建設会社の方を向いて仕事をこなしているのが現状です。 1軒の住宅を完成させる為には約20種の専門工事業者が現場に出入します。住宅を建設すると言うことは、工事の規模で決まるのではありません。数億円かかる建物も個人住宅も規模の違いこそあれ、同じだけの工種、専門工事業者を必要とします。 ここで働く職人さんにしても、その職人さんを束ねる専門工事業者さんにしても、工事に携わる喜びみたいなものが無いといい仕事、いい建物にはならないのではないでしょうか。 |
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| 住宅建設コストと多重下請け構造 電化製品や食料などを購入される時、新聞広告で数店の単価を比較して、安い値段の付いたお店に行かれませんか? 日常品ではこのように商品の単価を気になされるお客様も、こと住宅の購入となると坪○○万円と表示されたアバウトな世界で購入を決断しなければならなくなります。 ハウスメーカーさんの契約書に付いてくる見積書は、せいぜい数ページの一式○○万円の項目がならんだだけの場合が多いと思います。柱1本にしても単価は存在します。しかし見積書に価格(単価)の根拠が示されていません。なぜ根拠が示せないのでしょうか。そこには日本の建設業界が抱える問題、多重下請け構造があると思われます。 多重下請け構造とは? 実際に工事をされるのは専門工事会社です。専門工事会社さんは自社の利益を乗せた見積書を提携工務店や建設会社に提出します。提携工務店や建設会社さんは、各専門工事会社さんからの見積書を集計し、自社の経費を上乗せした工事見積書をハウスメーカーさんに出します。ハウスメーカーさんも自社の経費を計上し、やっとお客様への見積書となる訳です。ひどい場合は中間に4・5社存在する場合もあります。 これでは実際の単価を表示すると、経費が実際の工事費の2割3割あることが判ってしまうため、大項目の一式表示にする事が多いのです。この経費の中には、先ほど話しました設計料、モデルハウスの建設及び維持費、各会社の宣伝広告費、営業マンの給料等、が入っているのは言うまでもありません。 住宅は一生に一度の高額な買い物です。食料品を買う時と同じように価格にこだわる姿勢がお客様にも必要なのかもしれません。 |
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